『ガールズバンドクライ』制作を終えたシリーズディレクター・酒井和男氏にインタビュー。「仁菜が狂犬と呼ばれるのは驚き」

酒井和男へのインタビュー。
 
掲載日: 2024年8月10日
掲載媒体: AnimeRecorder
 
概要
2019年ごろ平山理志Pに「新しい企画を立ち上げたい」というお話をいただいた。その時点ではバンドというテーマも決まってなかった
当初描きたいテーマとして決まっていたのは、東京オリンピック後の日本を包む閉塞感や、そこから生まれる若者の生きづらさだった
最初に考えていたのは近未来を舞台にした作品だった。3DCGというのは当初からあった
花田十輝の提案などによりガールズバンドになった
「悪人は出さないでほしい」とは伝えた
他のガールズバンド作品の影響はあまり感じていない
仁菜がSNSで「狂犬」と言われているのは心外というか驚きだった
仁菜たちは描かれていないところで仲良くなっている想定
キャラの関係性については仁菜と桃香から決まって、2人を中心に他のキャラが固まった
川崎を舞台にした影響も大きい、川崎は地方出身者が多い労働の街
当初のすばるはもっと知的で、人によってはずる賢いと感じるキャラクターだったが、声が入って印象が少しずつ変わった
キャラの成長の見せ方は先が読めなかった。「アニメの中で彼女たちは成長するのか?」とすら思っていた
仁菜たちのやったことが正解なのか間違いなのかは分からない
川崎は東京に近いが地価や家賃が低いイメージ
個人的な『ガールズバンドクライ』のテーマとして「お金」があった
お金は人の行動力を決めるもの。川崎は若者のお金の問題をリアリティをもって描ける場所
モブキャラクターが度々登場したのは一度制作した3Dモデルは積極的に再利用しようと考えたため
みんな同じ地域で生きているのだから、当然再会することもあるだろう
スケジュールやクオリティなど制作現場との兼ね合いで作画のシーンも入れたのが実情だが、ネガティブな話ではない
CGを動かすスタッフには苦労をかけた
表情に関しては手島nariさんも現場に入ってもらい、いろんな表情を何百枚も描いていただいた
ライブシーンはロックバンドだと楽器を持っているため動かせないのが難しい
トゲナシトゲアリとダイヤモンドダストでカメラワーク、見せ方に変化をつけた。トゲナシトゲアリは酒井和男が、ダイヤモンドダストは三村厚史氏が担当した
サウンドチェックはモーションキャプチャーを撮影しており、せっかくなのでリアリティを出す意味でも入れてみた
サブタイトルは100%花田十輝
CGアニメに対するアレルギーはまだまだあると思っているが、3Dだからこそ「面白いことになる」とも思っていた。セルでやっていたらこんな結果にはなっていなかっただろう
続きもまだまだ作りたいが、仁菜たちが5人で音楽をやるという夢が叶ってしまっているとも言えるので続きを描くのも難しい
 
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